小学生の時に、肺炎で1ヵ月ほど入院したことがあります。その時に初めて「医療」という仕事があることを実感しました。一方で、入院していたのは小児病棟ですから、つい昨日まで遊んでいた子がなくなってしまうなどの「人の死」を意識する機会ともなりました。
当時、大きく発展していたのが画像診断の分野です。それを学びたいと考え、放射線科に入りました。患者様たちはあまりご存知ないかもしれませんが、「画像の読影」はすごく難しいんです。
通常であれば、整形外科の先生であれば骨折や筋肉の状態、胃腸科の先生であれば胃腸の状態がレントゲン画像やCT画像から読み取れ、自分の領域以外のことは詳しくありません。しかし放射線科では、全身の画像診断を行います。それこそ脳、血管、骨、肝臓や膵臓などの内臓ひとつひとつを、すべて読影できなければなりません。しかしそれがいずれ患者様のためになるだろうと考え、研鑽を積みました。
勤務医時代に縁あってこの場所をご紹介いただきました。興味をもって学んでいた内視鏡検査も活かせるのではと感じ、開業へ踏み切りました。
日本人の大腸がんによる死亡率は男女ともに高く、とくに女性に大腸がんが増えている原因のひとつに、内視鏡検査の受診率の低さがあるのではないかと考えています。そこで当院では女性医師による検査枠を設け、さらに検査前の下剤を服用する際には一般の待合室とは階の違う場所に、専用個室を準備しています。衛生面やプライバシー、そして検査時の苦痛にも十分に配慮していますから、ぜひ女性の方にも大腸内視鏡検査を積極的に受けていただきたいですね。
放射線科出身であるからでしょうか、やはり「正確な診断」というものは必須だと考えています。そのためにも、レントゲン、CT、超音波検査(エコー検査)など、精度の高い検査機器が必要です。院内にある程度の検査機器があり、私が放射線科の経験を活かした読影をすることで、患者様の待ち時間や移動の負担を軽減することも、医療を受けやすい環境づくりにつながっているのだと思います。
西洋医学は私も得意とする画像診断や手術、そしてすでにはっきりとした病変があるものに対する治療などが得意分野。一方で、「検査をしても異常はないらしいが、どうにもお腹の不調が出てつらい」といった「未病」の状態の方も多いのです。
漢方薬や鍼などの東洋医学が得意とするのは、まさにその「未病」の部分。私の専門である消化器疾患の分野ではIBS(過敏性腸症候群)やFD(機能性胃腸症)に対し、漢方薬が功を奏したケースがいくつもあります。
また当院では原則的には小児科疾患には対応しておりませんが、西洋薬では治らないお子さんの腹痛や下痢、喘息、副鼻腔炎などに対する漢方治療をご希望の場合は、遠慮なくご相談ください。
患者様の不安や不快さを軽減し、QOL(生活の質)を向上することで笑顔になっていただくことは、私にとっても非常に大切なことなのです。
胃・大腸内視鏡検査を「受けやすい検査」だと感じていただけるよう工夫を凝らすことも、漢方薬や鍼などを治療に用いるのも、すべて患者様の笑顔と、健やかで輝かしい未来へとつながるよう、今後も研鑽を積みながら貢献していくつもりです。
漢方薬や鍼に興味がある、ちゃんと検査を受けてみたいという方はぜひ、お気軽にご相談にいらしてくださいね。