上部消化管内視鏡(胃カメラ)でわかる疾患
- 食道がん
- 胃がん
- 胃十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 急性胃炎
- 慢性胃炎(ピロリ感染含む)
- 胃ポリープ
- 十二指腸ポリープ
- 食道胃静脈瘤 など
Gastroscope
咽頭(のど)、食道、胃、十二指腸の病変を直接観察することができます。腹痛等おなかの症状を認める方にはエコー検査とともにお勧めする検査です。近年ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌が普及し10年前に比べ胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者様はずいぶん減りました。胃がんも今後減少してくると思われますが、男性の部位別がん死亡数では肺がんに次いで2位です。胃がんおよび食道がんは内視鏡治療可能な状態で発見されれば完全治癒が可能です。内視鏡検査はこれらの病気の早期発見、早期治療には欠かせない検査となっております。当院ではFUJIフィルム社製のBLIと呼ばれる青色のレーザーにより詳細に病変を観察できる最新内視鏡装置を導入しております。レーザーを使った内視鏡は、波長の異なるふたつの光を組み合わせて観察部分を照らします。明るい白色の光で、シャープで鮮やかな画像を映し出し、青色のBLI光で、粘膜表層の微細な血管を強調します。胃のなかで、広い範囲を見るときも近寄って異常を判定するときも、白色光とBLI光の明るさを自在にコントロールして、微かな異常をより見やすくし早期発見に貢献します。
原則予約制ですが、朝食を食べていなければ外来状況により当日検査が可能な場合がありますのでお電話でお問合せください。お仕事の都合でどうしても遅い時間しか来院できない方は昼食抜きであれば午後に実施可能ですのでご相談ください。
内視鏡検査は一度でもつらい経験をしてしまうと二度と検査を受けたくなくなってしまいます。当院は「優しくていねいな検査」をモットーにしております。使用する内視鏡はFUJIフィルム社製の最新機器でわずか6mm弱と細く挿入時にほとんど違和感のないものです。当院では鼻からの挿入(経鼻内視鏡検査)、口からの挿入(経口内視鏡検査)どちらにも対応しております。さらに当院では検査の苦痛を除去するために3つの方法を準備しています。
ベンゾジアゼピン系の鎮静剤を用いてほぼ眠ったままの状態で内視鏡を受けることが可能です。検査に対する不安の強い方、以前の検査時に嘔吐反射が強かった方などに勧めております。この場合、検査後にはしっかり目を覚まして帰っていただく必要があり、通常検査の場合よりも在院時間が長くなるといったデメリットもあります。当院で使用する鎮静剤は日本消化器内視鏡学会のガイドラインにおいて推奨されている安全なお薬です。
恐怖感を伴い嘔吐反射が強い方には鎮痛剤も併用します。鎮静剤の使用量には上限がありますので過去に効果不十分だったと申告された方には鎮痛剤も併用します。
当院で使用する鎮静剤および鎮痛剤は2013年に日本内視鏡学会が作成した鎮静に関するガイドラインに準じた薬剤を使用し、安全に検査が行えるよう推奨される投与および管理方法を採用しています。
当院では鎮静剤や鎮痛剤が効かないからといって投与量をやみくもに増量いたしません。当院独自の取り組みで鍼による緊張緩和を実施した上で適量の鎮静剤や鎮痛剤を投与します。鍼は筋肉の緊張を緩和するだけでなく副交感神経優位の状態に導き心身両面でリラックスさせることもできます(鍼代は別途かかります)。
椅子に腰掛けてもらい外関といわれるツボに約15秒呼気時にのみ鍼を刺さずにトントンと刺激します。その後ベッドに仰臥位になってもらい合谷と孔最というツボに4−5mmほど刺鍼し1Hzの低周波電流を流し筋肉に単収縮を与え約15分持続します。これによって副交感神経優位な状態となり筋肉の緊張がほぐれ気持ちよくなりやや眠たくなります。この状況下で鎮静剤を投与すると楽に検査を受けられます。
※当日初診の方は問診を行います。
咽頭麻酔を行います。(所要時間:10分程度)
鎮静剤の注射を行います。(鎮静剤なしの検査も可能です。)
当院では特別なご要望のないかぎり安全確保のため点滴ルートから投与いたします。
検査時間 :所要時間 5-10分。
休憩:鎮静剤使用時は30-120分の休憩。
結果説明:今後の経過観察の方法も含めて説明します。
所要時間:来院~帰宅まで1時間程度(麻酔使用時はプラス30-120分)。
鎮静の状況によっては長くなる場合もあります。
当院ではピロリ菌の検査はもっとも侵襲が少なく、信頼性の高いUBT(尿素呼気試験)を採用しています。この検査は食後4時間経過していれば可能です。
粘膜から生検鉗子で組織を取る迅速ウレアーゼ試験も可能ですが、患者様の経済的負担が大きいだけでなく、出血を伴う侵襲的な検査であり、正確性もUBT(尿素呼気試験)に劣ることから当院ではほとんど実施しておりません。
日本人は多くの方がピロリ菌に感染しており、ピロリ菌感染者は、感染していない人に比べて胃がんのリスクが20倍以上高いと推察されております。(特に50歳以上の方の感染率は60%以上)
ピロリ菌は幼児期に感染が成立することがわかっていますが、一度胃粘膜に住みつくと、炎症を誘発して慢性胃炎や胃潰瘍の原因となります。またこの慢性胃炎が胃がんの発生に強く関与することが分かっています。
炎症が軽い若いうちに除菌することが胃がん発症の予防につながります。
喫煙者、塩分摂取の多い方、ビタミン摂取不足、糖尿病の方は胃がんのリスクがさらに高くなるので要注意です。
※胃酸抑制剤の胃薬や抗生物質などのピロリ菌に対して静菌作用のある薬剤を内服中の方は偽陰性となる可能性があるため、これらの薬剤の投与の中止または終了後に実施します。
当院では内視鏡学会の指針を遵守したカイゲン社の最新の洗浄装置を導入しておりますので安心してお受けいただけます。